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研究紹介

第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議

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■ エイズの正しい知識持って 神戸の繁華街でウオーク
共同通信ニュース速報 2005-07-03-16:40
 神戸市で開催中のアジア・太平洋地域エイズ国際会議の一環として、各国の会議参加者らが行進し、市民にエイズについての正しい理解を訴える「エイズウオーク in神戸2005」が3日、同市の繁華街で行われた。
 小雨の降る中、神戸市役所隣の公園に集まった参加者約250人は、同市消防音楽隊が演奏するマーチに乗って出発。「差別のない世界を」「みんな仲良く」と思 い思いのメッセージを書いたプラカードを手に、買い物客らでにぎわう三宮センター街などを約1時間かけて歩いた。
 学校のエイズ啓発サークルに所属している大阪府立松原高校の中田美恵さん(17)も参加。「特に若い人のエイズに対する関心が低いと思う。正しい知識を持って もらい、偏見や差別をなくしてほしい」と話していた。



■ 150万人のエイズ孤児 アジアで、ユニセフ推計
共同通信ニュース速報 2005-07-03-18:15
 国連児童基金(ユニセフ)などは3日、アジア・太平洋地域で親をエイズで失うなどしたエイズ孤児は150万人以上いる との推計を神戸市内で開催中のアジア・太平洋地域エイズ国際会議で発表、子どものケアや支援が必要と訴えた。
 また、母子感染などでエイズウイルス(HIV)に感染した子どもは2004年現在で12万1000人で、1年間に4万7000人が新たに感染したと推定。感染 した孤児に支援がないと、貧困から売春婦になるなどして感染を広げる可能性が高いと指摘した。
 エイズ孤児が多いのはインド、タイ、カンボジア、ミャンマー。感染が急速に拡大している中国で今後増える可能性がある。それ以外に、保護者が感染しているこ とでさまざまな影響を受けている子どもが約350万人に上る。
 ユニセフは、子どもとエイズの問題に関し具体的な政策を進めている国はほとんどないとして「そうした政策は、子どもを助けるだけでなく、総合的なエイズ対策 の上でも重要」としている。



■ 生きた証しのキルトが会場に飾られる
毎日新聞ニュース速報 2005-07-02-21:11
 第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議は2日、神戸市中央区の神戸国際展示場で展示プログラムが始まり、 会場の壁にエイズで亡くなった人々の生きた証しのキルト約60枚が飾られた。
 世界共通の寸法(横1.8メートル、縦90センチ)。生前愛用していた服などを使った。ワープロをデザインしたキルトは、エイズで亡くなった関西の男性をしの んだ。引きこもりになったが、ワープロ手記を発表することで生きがいを取り戻した。この他、世界地図に仕立てた特大キルトも。
 主催したメモリアル・キルト・ジャパンの寺口淳子代表は「差別のない一人一人が大切にされる社会を願うメッセージが込められて いるのを忘れないで」と話した。【大川泰弘】

■ 子どもたちに手作りキルト 母子支援の市民団体が展示
共同通信ニュース速報 2005-07-03-17:35
 エイズに感染したり、家庭内暴力に苦しんだりしている母子の支援活動をしている福岡市の市民団体「ABCキルトJAPAN」(堤希代子代表)が3日、アジア・ 太平洋地域エイズ会議が開催されている神戸市で全国大会を開き、各地の会員から寄せられた色とりどりのキルトを展示した。
 同団体は、厳しい状況に置かれた子どもたちがくるまって安心して眠りにつけるようにと、手作りキルトを贈る活動を続けている。大会には約500枚の作品が寄 せられ、鮮やかなチェック柄の端切れなどを縫い合わせた約1メートル四方のキルト約50枚が会場に並べられた。キルトは今後、各国の非政府組織(NGO)を通じ、 母子に届けられるという。
 堤代表は「エイズに感染した各国の子どもたちが堂々と生きていけるよう支援を続けていきたい」と話している。



■ 薬害エイズの歴史紹介 原告ら「風化させない」と
共同通信ニュース速報 2005-07-02-07:35
 「日本のエイズ問題の原点は薬害エイズだ」
 神戸市で開催中のアジア・太平洋地域エイズ国際会議で、大阪HIV薬害訴訟原告団やNPO法人「ネットワーク医療と人権」など は、ポスター展示や映像で訴訟の歴史や政府の対応を紹介するブースを開設した。
 会議では、薬物注射や性感染などが議論の中心だが、同原告団などは薬害問題を風化させないよう呼び掛けている。
 同法人によると、1980年代初めに輸入された非加熱血液製剤で感染した約1500人のうち、570人以上が死亡した。最近はエイズとC型肝炎を同時に発症 する例が増えているという。
 大阪HIV薬害訴訟原告団の花井十伍代表は「中国で現在、僕らと同じように、血液製剤を使った感染が増えており、堪え難い。過去の反省を踏まえ、感染者が幸 せに暮らせるような環境づくりを目指したい」と話している。



■ 「薬物と感染がリンク」 UNODCの藤野所長
共同通信ニュース速報 2005-07-01-20:05
 国連薬物犯罪事務所(UNODC)東アジア・大洋州地域センター(バンコク)の藤野彰所長が1日、神戸市内で 共同通信のインタビューに応じ「薬物とエイズの関連は密接。関連機関が連携し、治療だけでなく予防や教育など包括的な対策が必要」と強調した。
 UNODCの報告書によると、薬物使用時の注射器の使い回しが原因のエイズウイルス感染率は南・東南アジアで92%と世界でも突出。藤野所長は「薬物汚染と リンクして感染者が増加しているのがアジア地域特有の問題」と指摘した。
 中には清潔な注射器を配布する国もあるが、注射器を使用しない薬物を服用しての性交渉による感染も広がっており、藤野所長は「薬物汚染全体を防がなければ、 エイズ流行の防止には至らない」と危機感を強めた。
 韓国政府が薬物依存者に治療を義務付ける法案作成を進めている例を挙げ「当座の治療に加え、再び薬物に手を染めないための追跡調査やカウンセリングなどの予 防措置、社会復帰のための職業訓練や子どもへの教育システムが必要」と強調。
 「予防・教育・治療の各段階で、薬物の取り締まり機関だけでなく、ユニセフなどの国連機関や非政府組織(NGO)などが包括的に対策を立て、取り組む必要があ る」と述べた。
 ヘロインの原料ケシの栽培で生計を立てている地域に、代替作物のコーヒー栽培を普及させたタイの活動も紹介。「市場を確保した上で、土壌調査や技術訓練など を十分確保すれば農民は成功できるが、逆に薬物根絶にはそこまでやらなければ意味がない」と話した。



■ 拡大の中心集団ごとに対策 エイズ対策、国連が指針
共同通信ニュース速報 2005-07-02-17:10
 エイズ流行の拡大を食い止めるため、国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、加盟各国などが取り組むべき課題 などをまとめた指針を作成、神戸市で開かれているアジア・太平洋地域エイズ国際会議で2日公表した。
 男女間の性感染や男性同性愛者、性産業従事者、薬物乱用者など、それぞれの国で感染拡大の中心になっている集団に対し、個別の対策計画を作るよう求めた。
 指針は、感染拡大防止策に成功した国があるのに、世界的規模での対策が進んでいないと指摘。予防に関する情報や対策が行き届かないことがエイズ拡大の要因と 分析した。
 各国には、人権に配慮し感染者の意見も取り入れながら、非政府組織(NGO)、教育機関などとともに対策に取り組み、差別や偏見を減らしたり検査を受けやすい 環境づくりをするよう要請している。

■ 「感染率だけ見ないで」=アジアの現状に警鐘−エイズ国際会議で国連幹部
時事通信ニュース速報 2005-07-02-16:52
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)アジア太平洋地域事務所のプラサダ・ラオ所長は2日、「アジアでの感染率は まだ低く、例えばインドの成人は0.9%だが、感染者数は20%以上の南アフリカとほぼ同じ。感染率に目を奪われていると問題は見えない」と警鐘を鳴らした。

■ HIV感染、5年間で1200万人増も アジア・太平洋
朝日新聞ニュース速報 2005-07-02-06:50
 アジア・太平洋地域におけるHIV(エイズウイルス)の新規感染者数が今後5年間で1200万人に達する恐れがある見通しを 1日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が最新の報告書で明らかにした。対策が講じられない場合の数字で、 各国で十分に対策が進めば半分ほどに抑えられるとしている。併せて各国政府の指導者に対し、対策の先頭に立つよう求めた。
 UNAIDSは、神戸市で始まった第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議の共催団体の一つ。会議に合わせて 報告書を発表した。
 報告書によると、アジア・太平洋地域では04年までに820万人がHIVに感染、約54万人がエイズによって死亡した。
 アフリカなどで感染が急増した80年代後半から90年代初めには、アジア太平洋地域ではタイやカンボジアなど一部をのぞき、流行とは無縁だったが、約10年 後の04年の時点で感染者は全世界の21%を占めるほどに増加。特に新規感染者は世界の24%を占め、(1)低いコンドーム使用率(2)男女間の不平等(3)麻薬、 性産業の存在――などが複合原因となって世界で最も急速に感染が拡大している地 域になった。
 こうした現状を踏まえて予測した結果、各国政府の対策が現在のままであれば、2010年までの5年間に少なく見積もっても新たに1200万人が感染するとし た。一方、適切な予防対策が浸透すれば、半数の600万人に抑えられる。さらに治療態勢が進めば、エイズによる年間の死亡者を100万人から60万人に減らす ことができると指摘する。
 日本の感染者数は現在、約1万2000人。「エイズ知識の不足や、感染者が社会的に阻害されている状況をみると、感染の急速な拡大は十分起こりうる」として いる。

■ 5年後は1780万人か アジアのエイズ感染
共同通信ニュース速報 2005-07-01-20:40
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は1日、アジア・太平洋地域で、エイズウイルス(HIV)感染の予防や 治療が現在のレベルのままだと、2010年には感染者が推定1780万人に達するとの報告書を発表、抗ウイルス薬療法(ART)を広め、コンドーム使用推進など 予防対策の規模拡大を呼び掛けた。
 報告によると、この地域の04年の感染者は820万人で、年間死者は54万人。ARTを受けている感染者はタイでは44%だが、中国は7%、インドは4%な どと低い。
 対策を進めると10年時点で感染者は1020万人に抑えられると推定。対策を推進しない場合に比べ、10年時点の年間新規感染者は220万人から60万人に、 死者は100万人から60万に減らすことができるとしている。
 感染拡大を防ぐことで、膨大な医療費支出を回避し、生産性を維持できると指摘。経済的損失は10年に年間40億ドル(約4400億円)以上、15年には100 億ドル(約1兆1000億円)以上、抑えることができると予測している。
 報告書は、各国に感染予防対策への財政支出を増やすことや、市民団体の活動を一層支援することを提言している。



■ 感染拡大防止の経験伝える タイ取り組みJICA支援
共同通信ニュース速報 2005-07-01-07:10
 エイズの感染拡大防止の取り組みに成功しているとされるタイの経験を東南アジアの周辺国に伝えるプロジェクト を、国際協力機構(JICA)が4月から支援。神戸市で1日から開催のアジア・太平洋地域エイズ国際会議で 現状や課題を報告する。
 JICAなどによると、タイでは1984年に初のエイズ患者が確認され、薬物注射をする人や性風俗関係者に感染が広まった。さらに90年代前半には子どもや 主婦にも拡大した。
 このためタイ政府は90年から、売春宿でコンドーム使用を徹底させるなどの対策を進めた。現地で活動するJICAの沢崎康さんは「売春宿の違法性を議論する 前に徹底させた。91年に約14万人だった新規感染者は、2003年には約2万1000人にまで減少した」と指摘する。
 92年以降は5カ年計画を作成。感染者のケアと人権尊重の2つを柱に、宗教指導者、地域、マスメディアなどを通じ国民の意識改革を進めたという。こうした対策で 500万人以上の感染を防いだとみられ、「エイズは身近な問題と受け止められている」(沢崎さん)という。
 JICAのプロジェクトは3カ年計画で、日本政府は約2億8000万円を拠出。首都バンコク郊外のマヒドン大学の「アセアン保健開発研究所」を拠点とし、周辺の ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナムの4カ国から行政機関や病院、非政府組織(NGO)関係者など約280人を招き、母国でエイズ対策の指導役となるよう育成を 始めている。



■ 厚労相はエイズ会議欠席
共同通信 日本医師会デイリーニュース 2005/7/1
 7月1日から神戸市で始まる第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議の開会式に、尾辻秀久厚生労働相が欠席することが、 30日分かった。衆院厚生労働委員会の審議が入ったためという。
 これまでの会議では、各国首脳クラスがあいさつし、エイズに対する取り組みの重要性をアピール。出席を要請していた会議の樽井正義事務局次長(慶応大教授) は「厚労省は会議をしっかりと支援してくれているが、これでは海外から来た参加者に誤解されるのは避けられない。残念だ」と話している。



■ アジア太平洋地域エイズ国際会議、神戸で開幕
朝日新聞ニュース速報 2005-07-02-06:53
 世界で急速に拡大しているHIV(エイズウイルス)の予防や治療、必要な政策などについて話し 合う第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が1日、神戸市で始まった。中国、インド、タイなど45カ国から 医療関係者、市民団体、HIV感染者ら約3000人が参加。5日まで、集会やシンポジウムなどで各国の現状や取り組みを議論する。

■ アジア・太平洋地域エイズ国際会議 神戸市で始まる
NHKニュース速報 2005-07-01-19:04
 急速に感染が広がるアジアのエイズについて、対策を話し合う「第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議」が きょうから神戸市で始まりました。
 この会議はアジア・太平洋地域でエイズウイルスの感染拡大を防止する対策や治療の現状などについて話し合うもので、およそ四十の国から行政のエイズ対策担当 者や医師、それに感染者自身などおよそ三千人が集まりました。
 会議にあわせて国連が発表した最新の報告によりますと、アジア・太平洋地域でのエイズウイルスの感染者は、中国などの東アジアを中心に去年一年間で新たに百 二十万人増えて、全体でおよそ八百二十万人にのぼり、今後五年間でさらに千二百万人が感染するおそれがあるということです。
 開会式で国連合同エイズ計画のピーター・ピオット事務局長は「アジアの多くの国々ではいまだエイズに対して 対策がとられておらず、感染拡大防止のためには政治のトップレベルでの継続的な取り組みが不可欠だ」と述べました。
 一方、日本ではきのう小泉総理大臣が五億ドルの拠出を発表していますが、国内の予防対策は進んでおらず、去年初めて新たな患者・感染者が千人を超えるなど、 徐々に拡大しています。
 会議は、きょうから五日間の日程で行われ、エイズをめぐる社会的な偏見の問題などについても話し合います。

■ 「予防進め、感染半減」 エイズ国際会議開幕
共同通信ニュース速報 2005-07-01-17:05
 第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が1日、神戸市で 開幕、国連合同エイズ計画(UNAIDS)のピーター・ピオット事務局長は記者会見で「予防に力を入れれば、 この5年で、アジア・太平洋地域で600万人の新規感染を防げる」と強調、対策をスピードアップするよう呼び掛けた。
 事務局長は「今まで通りなら、1200万人が感染する」と指摘、対策を進めるには「国のトップがリーダーシップを発揮することが必要だ」と述べた。
 会議に小泉純一郎首相や尾辻秀久厚生労働相は出席しないが、事務局長は、日本政府が「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に5億ドル(約550億円)の資金 拠出を表明したことに触れ、「金は物をいう。重要なことだ」と評価した。

■ アジア、太平洋から3千人参加 神戸で開幕
毎日新聞ニュース速報 2005-07-01-13:33
 第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が1日、神戸市ポートアイランドの神戸国際会議場などで開幕した。 メーンテーマは「科学とコミュニティーの英知の統合」。約60カ国の研究者や医療従事者、国際機関職員、NPO関係者、HIV感染者ら計約3000人が研究成果や 教訓、情報を交換する。
 午後5時からの開会式に先立ち、各国の感染者同士や、NPO関係者、同性愛者、セックスワーカーらが分科会で話し合うフォーラムが非公開で行われている。
 5日までの期間中、世界保健機関(WHO)のジム・ヨン・キムHIV局長らが講演する全体会議、22のシンポジウム、270 の口頭発表のほか、エイズで亡くなった人を追悼しながら市街地を歩くエイズウオークなどがある。【大川泰弘】



■ アジアのエイズ対策で国際シンポ 各国が連携強化の意見相次ぐ
NHKニュース速報 2005-06-30-19:12
 アジアで急激に増えているエイズ感染の現状と対策を協議する国際シンポジウムが東京都内で開かれ、治療や予防のために各国政府や国際機関が連携を強化するこ とが不可欠だという意見が相次ぎました。
 このシンポジウムは、国際社会がエイズの感染者を減らす対策に取り組むことを宣言した二〇〇〇年の沖縄サミットから五年になるのを記念して開かれました。
 シンポジウムではまず、アジア各国のエイズ問題の現状について、中国で感染者の増加率が世界でも最も高いレベルになっていることや、発展途上国の多くで十分 な治療や予防の対策が取られていない実態が報告されました。
 続いて、アジアが地域としてエイズ問題にどう取り組むべきかについて意見が交わされ、患者に必要な治療を施したり、新しい薬やワクチンを開発したりするため に、各国政府や国際機関が連携して資金や人材面で協力を強めることが不可欠だという意見が相次ぎました。
 シンポジウムに出席したWHO=世界保健機関のチョウ事務局長補は「感染が拡大している国々の医療体制を強化することが 大きな課題になっている。日本が技術や専門知識、資金面で貢献すれば状況を大きく改善できる」と話していました。
 アジアのエイズ問題をめぐっては、あすから神戸市でWHOなどが主催して各国の研究者や政府関係者が対策を話し合う国際会議が五日間にわたって開かれます。

■ エイズ治療、支援を協議 ASEANが神戸会議前に
共同通信 日本医師会デイリーニュース 2005/6/30
 HIV(エイズウイルス)感染拡大防止に向け、東南アジア諸国連合(ASE AN)各国の政府担当者や医師らが神戸市でワークショップを開催、現状紹介や意見交換をしている。7月1日から同市で 始まる第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議で討議内容を報告する。
 参加しているのは、シンガポールを除く9カ国。合計100万人以上の感染者がいる。直接的な対策は、抗ウイルス薬療法(ART)だが、検査を自主的に受ける仕 組みを広めるなどの活動に取り組んでいるという。
 拡大が懸念されているベトナムの担当者は、国内の感染者約8万5000人のうち、約8割を20代の若者が占めると報告した。インドネシアは2004年に25 の病院を指定、患者1500人がARTを受けている。
 マレーシアは、政府が多国籍製薬会社と抗ウイルス薬の値下げを交渉、25―70%安くすることができたと紹介した。
 カンボジアでは人々への教育の成果からか、最近、感染者をサポートするグループが急増、以前の10倍になった。タイの担当者は「財政面で支え、広範囲な地域 で薬を提供する体制を迅速に整えた」と強調した。



■ エイズ会議1日開幕 アジア・太平洋から50カ国
共同通信ニュース速報 2005-06-30-17:20
 アジア・太平洋地域のエイズ問題を討議する第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が1日から5日間の 日程で、中国やタイなど約50カ国から研究者や患者、支援者ら約3000人が参加し、神戸市の神戸国際会議場などで開催される。
 中国でエイズウイルス感染者が急増するなど爆発的な流行が懸念される中、国連合同エイズ計画(UNAIDS)世界保健機関(WHO)の担当者も参加。12の教育講演や22のシンポジウム、1500以上の演題発表を通じ、感染拡大防止や ワクチン開発の課題、患者への支援とケアなどについて話し合う。
 先進国で唯一、新規患者が増加しているとされる日本で、大規模にエイズ問題を議論するのは1994年に横浜市で開催された国際エイズ会議以来。2年前に開催 予定だったが、新型肺炎(SARS)流行の影響で延期されていた。会議組織委員会は「アジアの危機的状況を知らせるチャンス」と活発な議論を呼び掛けている。
 期間中、神戸市内で兵庫県主催のフォーラムやパレードなど関連イベントも行われる。



■ エイズ:HIVポジティブ 南ア女性「前向きに生きたい」−−来月2日に報告会
 「ポジティブ(前向き)に生きたい」−−。南アフリカでエイズ患者やHIV(エイズウイルス)感染者の権利向上に取り組むググ・ジャミニさん(25)が 来月2日、大阪市内で母国のエイズ事情を報告する。南アでは530万人がHIVに感染し、親を失った孤児が110万人にも上るという。ググさんは神戸市で 1〜5日に開かれる第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議にも参加し、「エイズの現実を知ってほしい」と 訴える。
 ググさんは14歳のとき、3人組の男から性暴力の被害に遭い、HIVに感染した。発症の恐怖にくじけそうになるたび、一人娘のルンギレちゃん(10)に 勇気付けられたという。
 エイズが深刻な南アでは、親をエイズで失ったショックで心のケアを必要とする子どもが少なくない。貧しくて栄養状態が悪いうえ、治療薬の正しい知識も 浸透せず、社会の偏見と差別が立ちはだかる。いくつも重なった問題に直面しながら、明るさを失わないググさんは自らの体験を語りかけ、患者の家庭を訪問 して、地道に支援や啓発活動に取り組んでいる。
 「HIVポジティブ」。胸に大きく書かれたTシャツを着たググさんは昨年5月、現地を訪れた記者に「仲間と支え合いたい」と言った。「ポジティブ」には、 「陽性」と「前向きに」の二つの意味がある。「HIVポジティブ」のTシャツは「HIV陽性でも前向きに生きたい」という主張だ。
 ググさんは今年1月、その生き方に心を動かされた旅行会社「道祖神」ヨハネスブルク駐在員の高達(こうだて)潔さん(46)と結婚した。夫とルンギレちゃん と一緒の初めての日本滞在は、エイズ問題への理解を訴えるツアーになる。報告会は2日午後5時半、北区梅田2のハービスプラザ4階イベントルームで。参加無料 だが、申し込みが必要。道祖神大阪営業所(06・6343・7225)へ。【中尾卓司】

毎日新聞 2005年6月29日 大阪朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/news/20050629ddn041040034000c.html


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