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研究紹介

体外受精


■ HIV 夫婦とも感染、体外受精実施へ 東京・荻窪病院
 夫も妻もエイズウイルス(HIV)に感染している夫婦2組に対し、荻窪病院(東京都杉並区、杉山武院長)は9日、精液からHIVを除去して人工授精または 体外受精を行うことを倫理委員会で承認した。夫婦とも感染者への実施は世界でも初めてといい、主治医の花房秀次血液科部長は「子供がほしいという夫婦の希望 に従い、なるべく早く実施したい」と説明している。
 1組は関東地方在住の30代夫婦で、2人とも血液製剤によって感染した。夫に増殖能力の強いタイプのHIVが増えており、妻にこのタイプが重ねて感染すると 免疫力が急激に落ちる可能性があるという。もう1組は東海地方の20代夫婦。夫が血液製剤によって感染、妻にも感染したが、夫のHIVは薬剤耐性を持っており、 妻への重感染を防ぐためにも体外受精が必要という。
 母子感染を防ぐため、事前に母側のウイルスの感染力を抑える措置を施したり、陣痛開始前に帝王切開するなどで、子供への感染は0.6%以下に抑えられると いう。
 花房部長らは慶応大、新潟大などと共同で精液からHIVを除去する技術を00年に開発。これまでに、夫が感染者の夫婦55組に人工授精などを行い、37人の 子供が生まれたほか、5組が妊娠中で、これまでに、妻や子に感染した例はないという。
 花房部長は「子を持ちたいという当然の願いに応えるため、より安全に出産できる医療に努めたい」と話している。【山田大輔】

毎日新聞 2007年1月9日 21時56分 (最終更新時間 1月10日 0時39分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070110k0000m040128000c.html



■ 体外受精訴訟 死後の凍結精子でも父子認知 原告逆転勝訴
 死亡した夫の凍結保存精子を使った体外受精で生まれた愛媛県内の男児(3)が、民法上の父子関係の確認(死後認知)を国側に求めた訴訟の控訴審判決が16日、 高松高裁であった。松本信弘裁判長は請求を棄却した1審・松山地裁判決(03年11月)を取り消し、父子関係を認めた。精子提供者の死後体外受精に関する初の 父子認知で、生殖補助医療に大きな影響を与えるのは必至。民法も夫の死後の妊娠・出産は想定外で、国は法整備も含めた対応を迫られることになる。

 訴状などによると、夫は白血病で、骨髄移植手術に際し無精子症になる恐れから、98年に医療機関で精子を凍結保存。しかし、99年9月に死亡。その後、夫の 妻が医療機関から凍結精子を受け取り、別の医療機関で体外受精して、01年5月に男児を出産した。男児を嫡出子として役所に届け出たが父親の死後300日を 経過していたため民法の規定で認められず、妻が男児の法定代理人として、02年6月に松山地裁に提訴した。
 精子の凍結保存は国内でも普及しているが、精子提供者の死後に妊娠・出産したのは初めてのケースとみられている。
 1審判決は、社会通念上、今回のようなケースで父子関係を認める認識は乏しい、亡父が死後の出産に同意していたとは言えない、などとして請求を棄却した。
 原告側は、夫は死後の妊娠・出産を望んでおり、憲法13条の「幸福追求権」などを基に「戸籍に父の名が記載されること」が子どもの福祉にかなうなどと 主張。国側は、夫は凍結保存の際に「死後は精子を廃棄する」と記載した依頼書に署名押印しており、認知によって子どもに養育などの具体的実益もない、などと 反論していた。
 民法は父親の死後3年以内なら死後認知を提起できると規定しているが、死後の妊娠・出産については規定がない。【高橋恵子】

毎日新聞 2004年7月16日 13時21分




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