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『輸入製剤によるHIV感染問題調査研究――医師への聞き取り調査を中心に
 第3次報告書』

http://www.mers.jp/old/whats/contents3/rprt_index3.htm


はしがき   栗岡 幹英好井 裕明

<目次>
第1章 研究の経過と概要   栗岡 幹英
第2章 血液凝固因子製剤によるHIV感染がもたらした血友病治療医コミュニティの変容
    ――「箱根ワークショップ報告書」にかいま見る治療医の心情   横田 恵子
第3章 家庭療法における医師と患者の位置づけ――血友病のサマーキャンプの意味づけをめぐって   山田 富秋
第4章 感染被害者の連帯の模索   西田 芳正
第5章 血友病治療感の社会的構成   種田 博之

HIV関連文献
調査研究委委員名簿・研究分担者名簿

【収 載】
『輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究 第2次報告書』 2005年3月刊
『輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究 第1次報告書』 2003年6月刊

研究実施年度 2002-5年度  課題番号:14310076



はしがき

 本研究は、非加熱血液製剤に混入したHIVによって約1430名の血友病患者が感染し、2006年3月までにうち580名の方が他界されたという事件を取り上げている。私たち研究者グループは、2001年にこの問題について実際に調査を始めたが、2002年度に科学研究費補助金を交付された。4年間の計画になるこの科研研究の過程で、私たちは2003年5月および2005年3月にそれぞれ報告書を刊行し、この報告書は3冊目になる。今回は、研究成果を総括する意味で、刊行済みの2冊の報告書をあわせて収録している。この報告書の各所で触れているように、第1次報告書についてはさまざまな反応があった。私たちとしては、執筆時期の新しい順に読んでいただきたいと思っており、その思いが本報告書の構成に反映されている。すなわち、本書に収めた3つの報告書は執筆時期の新しい順に並んでいる。
 本研究の経過については、3度の研究成果報告の機会にそれぞれ説明しているので、それらを参照されたい。この事件に関し、はばたき福祉事業団および大阪HIV薬害訴訟原告団と東京大学大学院医学研究科健康社会学教室(山崎喜比古助教授)による2回にわたる被害実態調査が先行的に存在する。この調査研究グループとは、学会等の機会に頻繁に交流し、貴重な意見交換を行うことができた。
 本研究の遂行に当たって、私たちは研究の客観性・妥当性を保証するために「血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会」を設立した。極度のご多忙の中、私たちの研究過程を時に厳しい目で見守り、貴重なアドバイスや示唆を与えてくださった養老孟司先生および村上陽一郎先生には、改めて感謝申し上げたい。また、私たちの研究の発端となり、背後で支えてくださった非営利活動法人「ネットワーク医療と人権(略称MERS)の皆さんおよび大阪HIV薬害訴訟原告団理事会および弁護団の皆さんに厚く御礼申し上げる。大阪HIV薬害訴訟弁護団からは、前記調査研究委員会に対し2回にわたる研究助成計600万円をいただいた。本報告書に先立つ2冊の報告書は、この資金およびMERSからの資金援助によって刊行することができたものである。これらの財政的支援によって、私たちは調査研究に格段の自由を得た。
 また、多忙な中、私たちの調査に協力してくださった血友病専門医その他医療関係者と患者・被害者の皆さんに心から感謝する。本報告書がこの方々の思いに多少とも答えるものになっていれば幸いである。
 本研究は、研究分担者に名を連ねている研究者のみならず、多くの中堅・若手研究者の協力を得てなお進行中である。報告書に執筆していない多数の研究者も、聞き取りの遂行その他の調査活動で大きな役割を果たしている。もちろん、次の機会にはこれらの若手研究者もそれぞれの視点で執筆し、寄稿してくださるものと期待している。また、かつて研究に参加していたが現在では事情で直接関わっていない研究者もいる。研究会名簿に可能な限り記載する形で、これらの皆さんの労に対する感謝を記したい。
 本研究の分担者を含む私たちの研究グループは、現在好井裕明を代表とする被害者・遺族調査(「被害当事者・家族のライフヒストリーの社会学的研究―薬害HIV感染被害問題を中心に-(課題番号:17330109)」をあわせて遂行中である。また、本研究で試みた医師調査についても、新たに山田富秋を代表者に科研申請を行っているところである。その意味ではこの報告書もまた中間点にすぎない。この社会から薬害を根絶したいとの被害者の思いに答える社会学的研究を蓄積することが、研究者としての課題だと考えている。
 本報告書に対するご意見等は、研究代表者で現事務局長の栗岡幹英あるいは2006年4月から事務局長に就任する好井裕明宛にいただければ幸甚である。

2006年3月31日

研究代表者
栗岡 幹英
奈良女子大学文学部教授
E-mail:
Tel & Fax:

輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会事務局
好井 裕明
筑波大学大学院人文社会科学研究科教授
E-mail:
Tel & Fax:
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HIV感染被害問題研究関係者名簿 (2006年3月31日現在)

研究チーム・メンバー
青山 陽子 東京大学大学院医学研究科客員研究員
蘭 由岐子 神戸市看護大学看護学部助教授
入江 恵子 奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程
大北 全俊 看護専門学校講師
岡部 正子 桃山学院大学大学院社会学研究科修士課程
栗岡 幹英 奈良女子大学文学部教授
桜井 厚  千葉大学文学部教授
種田 博之 産業医科大学医学部講師
中塚 朋子 奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程
西田 芳正 大阪府立大学人間社会学部助教授
本郷 正武 東北大学大学院文学研究科研究員・日本学術振興会特別研究員
松原 千恵 奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程
的場 智子 東洋大学ライフデザイン学部講師
南山 浩二 静岡大学人文学部助教授
山田 富秋 松山大学人文学部教授
横田 恵子 神戸女学院大学文学部助教授
好井 裕明 筑波大学大学院人文社会科学研究科教授

研究協力者
太田 裕治 特定非営利活動法人「ネットワーク医療と人権」事務局長
花井 十伍 大阪HIV訴訟原告団長
森戸 克則 栃木県在住
若生 治友 特定非営利活動法人「ネットワーク医療と人権」理事長

研究支援者
鵜川 圭吾 特定非営利活動法人「ネットワーク医療と人権」職員


科学研究費補助金採択研究
「輸入血液製剤によるHIV感染被害問題の社会学的調査研究」参加者名簿


課題番号:14310076 年度:2002〜5(4カ年)
研究代表者
栗岡 幹英 奈良女子大学文学部
研究分担者
蘭 由岐子 神戸市看護大学看護学部
樫村 志郎 神戸大学大学院法学研究科
種田 博之 産業医科大学医学部
西田 芳正 大阪府立大学人間社会学部
山田 富秋 松山大学人文学部
要田 洋江 大阪市立大学大学院生活科学研究科
横田 恵子 神戸女学院大学文学部
好井 裕明 筑波大学大学院人文社会科学研究科

血液製剤によるHIV感染被害問題調査研究委員会名簿(2005年度)
委員長 養老 孟司 北里大学大学院医学研究科教授
副委員長  村上 陽一郎 国際基督教大学大学院教授
委員 蘭 由岐子
委員 樫村 志郎
委員 栗岡 幹英(事務局長兼任)
委員 種田 博之
委員 山田 富秋
委員 好井 裕明

委員会事務局所在地(2006年4月から)
〒305-8577 茨城県つくば市天王台1-1-1
筑波大学大学院人文社会科学研究科
好井裕明研究室
E-mail:
Tel & Fax:

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