HOME(Living Room)
>Kitamura

薬害


薬害のない未来を 肝炎九州訴訟判決を前に

薬害HIV訴訟 和解10年

■ ニュース

◇薬害エイズ 治療発達でも200人死亡 目立つ肝疾患
 薬害エイズ事件で、国や製薬企業を相手取って訴訟を起こした原告のうち、医療技術の発達でエイズが「死の病」ではなくなった最近10年間で200人を超える 人が死亡したことが、薬害エイズ被害者の支援組織「はばたき福祉事業団」(東京都)の調査で分かった。事業団 は、非加熱の血液製剤でエイズウイルス(HIV)に感染した9割以上がC型肝炎ウイルス(HCV)にも重複感染し、エイズではなく肝がんなどの肝疾患で死亡する ケースが急増しているとみている。【玉木達也】

◇和解10年…支援組織が検証へ
 事業団は今月中にも死亡者について調査検討会を設置し、死因や治療実績などの検証作業に乗り出す。
 事件の風化が危惧される中、今年3月には国などが責任を認めて事件の和解が成立し10年を迎える。事業団は、検証作業を通じ、被害者救済を約束した国の対策に 問題がないかどうかを追及する。
 事業団によると、1月19日現在、全原告1371人のうち、43%の586人が死亡。特に抗HIV薬を複数投与する「カクテル療法」などの治療が発達し、エイズ が「死の病」でなくなった96年以降、05年までの10年間に全死亡者の35%を占める207人が死亡していた。
 最近の死因で目立つのはエイズではなく、HCV感染による肝疾患。事業団が東京HIV訴訟の原告に限って調査したところ、03年は死亡者9人中7人、04年9人 中5人、05年10人中9人がHCVによる肝疾患が原因で死亡。96〜05年の10年間でみても死亡した119人の4割近い44人が同じ原因で死亡していた。
 HIVとHCVの重複感染は肝炎の進行を早めるため、早期のHCVに対する抗ウイルス治療が必要とされる。しかし、すべての医療現場で適切な対応がされているか は疑問で、事業団などは厚生労働省に指導を要請。同省は1月16日付で、都道府県の担当課を通じ、エイズ治療拠点病院に対して重複感染者に適切な治療をするよう 通知を出したばかり。
 事業団では和解10年を節目と位置づけ、近く調査検討会を正式に発足させる。具体的には、遺族の同意を得て死亡者のカルテ開示などを行い、死因や適切な治療が 行われたのかを医療の専門家とともに分析する。
 事業団理事長で被害者でもある大平勝美さん(56)は「亡くなった薬害被害者がこのままでは科学的な検証もなく闇に葬られてしまう。悲劇を繰り返さないためにも 検証し、問題点が分かれば、国に改善を求めていきたい」と話している。

毎日新聞 2006年2月6日 3時00分



薬害防止卵≠フうちから 被害者の体験、直接学ぶ
日本医師会デイリーニュース 2004/09/07 共同通信

1 「衝撃的」と受講生 医系学部4割で特別講義
 薬害エイズやサリドマイドのような薬害を繰り返さないよう、被害者から生身の体験談を直接聞く特別講義が全国の大学医学部や薬学部、歯学部に広がり、実施に 向けて検討中の学部も含めると全体の4割を超えることが8日までの文部科学省の調査で分かった。
 受講した学生からは「薬のリスクを現実味を持って感じた」「衝撃的だった」などの感想が寄せられ、好評という。理論や技術偏重と言われてきた「医・薬」の教育 現場にも患者の思いが届き始めている。
 こうした講義は、薬害被害者団体連絡協議会の協力を得て、文科省が2年前から実施を呼び掛けた。被害者が教壇に立って、例えば自分や家族の無念さや、治療のため と処方した薬で被害を生んだ担当医の苦悩などを語り、学生たちに薬を使うことの重みを訴える。
 調査は国公私立の医学部(医学科と看護学科)と薬学部、歯学部の延べ283学部・学科を対象に実施。医学科で本年度にこうした講義をしているのは東大や山口大、 大阪市立大、慶応大など13大学。導入に向けて検討中としたのは24大学だった。
 薬学部で講義があるのは千葉大、富山医科薬科大など4大学とまだ少ないが、薬剤師教育が6年制になる2006年度に向けて導入を検討している大学が多く、検討中 が30大学に上った。
 看護学科は実施が8大学、検討中が36大学、歯学部は各1大学、7大学。全体で見ると、実施と検討中を合わせて全体の4割を超える123カ所だった。

2 被害者の「痛み」知って
 大阪HIV訴訟原告団長で、全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍代表世話人の話
 薬による「痛み」を体験し、乗り越えてきた被害者が「二度と起きてほしくない」と医療人となる学生たちに直接訴えるのは必ずプラスになる。専門知識偏重の今の大学 教育にはこうした授業がなく、薬害を繰り返す原因となってきた。もっと講義が広がって、学生たちに「人ごとでない」と感じてもらい、薬を使うたびに悩み、患者と 十分コミュニケーションして選択する医療人に育ってほしい。

3 薬害
 医薬品の副作用・相互作用やウイルス汚染などによる重大な健康被害。製薬会社、行政が対応を怠り被害が拡大するケースが繰り返されてきた。妊婦の睡眠剤使用で 赤ちゃんに被害が出たサリドマイド事件や、整腸剤が神経障害を起こした薬害スモン、エイズウイルス(HIV)が混入した輸入血液製剤による薬害エイズが代表的。 HIV訴訟の和解を受けて1999年8月、厚生労働省前に「薬害根絶 誓いの碑」が建立され、これらの団体が同10月、 全国薬害被害者団体連絡協議会を設立。3種混合ワクチン(MMR)や陣痛促進剤、クロイツフェルト・ヤコブ 病(CJD)、薬害筋短縮症、薬害肝炎の団体も参加している。



■ ホームページ
家西悟ホームページ
福祉・医療・介護・健康政策などに取り組んでいる、参議院議員・家西悟さんのホームページです。
DoorToMedicine
薬害に限らず、医薬関連の情報がよく集められています。

◆HIV
はばたき福祉事業団
薬害エイズ被害者の救済事業を被害者自らが推進していく団体です。
ネットワーク医療と人権
薬害が二度と起こらない、感染症に対する差別・偏見のない社会の実現を目指しています。
大分からの風〜薬害エイズに挑む〜
故・草伏村生さんの遺族の意思により、一貫して薬害HIV訴訟の責任追及をしています。
PLUS WebSite
PWA/H SUPPORT GROUP。HIV感染者に対する誤解を無くすためのイベントを展開中。
AIDS SCANDAL
サイト内に、「薬害とは何か」 「薬害エイズとは何か」というページがあります。

◆HCV
薬害肝炎訴訟弁護団全国ホームページ

薬害肝炎訴訟大阪弁護団
弁護士菊元成典のホームページ

薬害肝炎訴訟を支える会・名古屋
薬害肝炎名古屋訴訟のブログ

薬害肝炎九州弁護団
薬害肝炎訴訟「弁護士 古賀克重」
福岡の弁護士「古賀克重法律事務所」

◆全般
◇法政大学大原社会問題研究所 薬害問題リンク集
総合研究開発機構(NIRA)
MMR(新3種混合ワクチン)大阪訴訟
全国薬害被害者団体連絡協議会
薬害オンブズパースン会議
薬の副作用と薬害
プライム・ロー(Prime Law) 弁護士 藤田康幸
ルーちゃんからのメッセージ
患者の権利法をつくる会
薬害について
薬害資料館
西村有史自家頁2001年3月の一言



■ 参考文献
宝月誠編 1986 『薬害の社会学』世界思想社
田中滋 1986 「『薬害』の総体的認識に向けて」宝月誠編『薬害の社会学』世界思想社
薬害HIV感染被害者(遺族)生活実態調査委員会編 2002 『薬害HIV感染被害者遺族への面接調査報告』 薬害HIV感染被害者(遺族)生活実態調査委員会
薬害HIV感染被害者(遺族)生活実態調査委員会編 2003 『薬害HIV感染被害者遺族調査の総合報告書』薬害HIV感染被害者(遺族)生活実態調査委員会
全国薬害被害者団体連絡協議会編 2001 『薬害が消される!』さいろ社
輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会編 2003 『輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究――第1次報告書』 輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会
輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会編 2005 『輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究――第2次報告書』 輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会
輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会編 2006 『輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究――第3次報告書』 輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究委員会
好井 裕明(研究代表者) 2008 『被害当事者・家族のライフヒストリーの社会学的研究――薬害HIV感染被害問題を中心に』 平成17年度〜平成19年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書


血友病  ◇研究紹介  ◇年表  ◇50音順索引  ◇人名索引  ◇リンク  ◇掲示板

HOME(Living Room)