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プロジェクト予備演習 I CA
Preliminary Project Seminar I

http://online-kaikou.ritsumei.ac.jp/2008/syp/show?course_code=30412
立命館大学大学院先端総合学術研究科
このファイルは、北村個人が作成したものであり、文責はすべて北村にあります。


■担当教員(2008年度)
 伊田広行岡野八代北村健太郎

■第4章 論文とは「型にはまった」文章である(戸田山(2002)から抜粋)
p76-85
 論文とはつぎの五つの構成要素がこの順序通りに並んだものだ。
(0)タイトル・著者名・著者の所属機関
(1)アブストラクト
(2)本体
(3)まとめ
(4)注、引用・参考文献一覧

【鉄則17】論文のタイトルには、「この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか」を書く。

【アブストラクトに書くべきこと】
★論文の目的(どのような問いに取り組んだのか/何を明らかにしようとしたのか)
★論文の結論(問いに対しどのような答えを出したのか/調査の結果何がわかったか)
★論文の本体でどのように論が展開されるか
・何かを調査した場合は調査方法と調査対象

【鉄則18】要約は文章を一様に短くすることではない。読んで報告する報告型の課題に取り組むとき、
(1)筆者はどういう問題を立てているか、
(2)筆者はそれにどう答えているか、
(3)筆者は自分の答えのためにどのような論証をしているか、
の三点だけをおさえて報告すればよい。


(2-1)問題提起と問題の分析・定式化
(2-2)主張(問題に対する答え、「結論」とも呼ばれる)
(2-3)論証

(2-1)問題提起と問題の分析・定式化
 ここでは最低限、つぎのことをやっておかなくてはならない。先ほどと同様に必須項目は★で示してある。
★問題の提示、つまりどういう問題に取り組むのか
★問題の説明、その問題がどういうものであるのか、もう少し詳しく説明する。問題に含まれる用語や概念を解説することも含まれる。
・問題の背景、どうしてその問題が生じてきたか、その現状分析。いつからその問題があるのか。自分が見つけた問題なら、どうしてそのことが問題だと気づいたのか。
・問題の重要性、その問いに取り組むことにどんな意義があるのか。
・問題の分析、つまり、問題が大きなときはいくつかの問いに分ける。

◆戸田山和久 20021100 『論文の教室――レポートから卒論まで』 NHKブックス 297p  1176  ISBN-10: 4140019549 ISBN-13: 978-4140019542 [amazon]



■執筆上の八つのテクニック(小笠原(2002)から抜粋)
p144-145
5.指導教員を利用する。
 少しでも書いたら指導教員の指導を受ける。ある程度できあがってからと考えていると、いつまでたってもできあがらない。 少し書いたら怖じけずに、何度でも持っていき指導教員に批判してもらい、そこから盗むことが重要である。「師匠から盗む」、 それが学問をするということである。
6.友人を利用する。
 人に話すと考えがまとまったり、問題点がわかることがよくある。そこで、親しい友人に自分の論文の話を聞いてもらうのもよい。これはかなり有効である。 とりわけ行き詰まったときにはきわめて効果的である。直接会って、あるいは電話して話を聞かせる。相手の迷惑を顧みずにおこなうくらいの方がよい。 「指導教員を利用する」こともそうだが、自分の頭だけで論文を書こうとしないことが大切である。
7.自分で問いを出し自分で答える
 論文は勉強の単なるまとめではない。卒論は、自分の考えを書くのであって、他人の考えをまとめるのではない。自分の考えを他人に 説得することが「論を書く」ということである。そこで、常に議論的に書いてもらいたい。
 「議論的に」というのは、「これはどういうことだろう」「果たしてこの考え方で現実を説明しきることができるだろうか」などと自分で 問いを出して、「それはこうではないか」「こうした不都合が生じるのではないか」といったように自分で答えるというスタイルで 論を進めることである。

◆小笠原善康 20020420 『大学生のためのレポート・論文術』 講談社現代新書 225p 680+税ISBN-10: 4061496034  ISBN-13: 978-4061496033 [amazon]



■参考書籍(あくまでも参考なので、まったく読まなくても差し支えない
 最優先すべきは、自らの問題意識、研究テーマを言語化し、明確にすることである。以下に示すものは、あくまでも補助的な書籍や ウェブサイトであり、広い意味での「研究方法」云々に振り回されないようにすること。不明な点は、何でも教職員やPD、先輩に尋ねること。
1.研究計画
◆妹尾堅一郎 19990318 『研究計画書の考え方――大学院を目指す人のために』 ダイヤモンド社 397p 3500+税 ISBN-10: 4478731756 ISBN-13: 978-4478731758 [amazon]
田垣正晋 20080120 『これからはじめる医療・福祉の質的研究入門』 中央法規出版 173p 2000+税  ISBN-10: 4805829656 ISBN-13: 978-4805829653[amazon]
◆細川英雄 20060225 『研究計画書デザイン――大学院入試から修士論文完成まで』 東京書籍 182p 2600+税 ISBN-10: 4489007248 ISBN-13: 978-4489007248 [amazon]
◆細川英雄 20080425 『論文作成デザイン――テーマの発見から研究の構築へ』 東京書籍 172p 1800+税 ISBN-10: 4489020325 ISBN-13: 978-4489020322 [amazon]

2.研究の視点
◆谷岡一郎 20000620 『「社会調査」のウソ――リサーチ・リテラシーのすすめ』 文春新書 690+税 ISBN-10: 4166601105 ISBN-13: 978-4166601103 [amazon]
御厨貴 20020415 『オーラル・ヒストリー――現代史のための口述記録』 中公新書 207p 740+税  ISBN-10: 412101636X  ISBN-13: 978-4121016362[amazon]
二木立 20061120 『医療経済・政策学の視点と研究方法』 勁草書房 221p 2400+税ISBN-10: 4326748370  ISBN-13: 978-4326748372[amazon]
◆ダン・レメニイほか/著 小樽商科大学ビジネス創造センター/訳 20020920 『社会科学系大学院生のための研究の進め方――修士・博士論文を書くまえに』  同文館出版 154p 1900+税 ISBN-10: 4495865218 ISBN-13: 978-4495865214 [amazon]
 など。その他、教員に直接、参考書籍を尋ねるとよい。

3.論文の書き方
◆荒木晶子・向後千春・筒井洋一 20000400 『自己表現力の教室――大学で教える「話し方」「書き方」』  情報センター出版局 243p  1365  ISBN-10: 4795831327 ISBN-13: 978-4795831322 [amazon]
◆梅田卓夫 20010207 『文章表現 四〇〇字からのレッスン』 ちくま学芸文庫 305p 950+税 ISBN-10: 4480086129 ISBN-13: 978-4480086129 [amazon]
◆戸田山和久 20021100 『論文の教室――レポートから卒論まで』 NHKブックス 297p  1176  ISBN-10: 4140019549 ISBN-13: 978-4140019542 [amazon]
向後千春Web教材 アフロ先輩と学ぶ実用文の書き方(2000)
http://kogolab.jp/elearn/hyogen2000/
英語論文作成マニュアル/日本語論文作成マニュアル(先端総合学術研究科限定ホームページ)

◆花井等・若松篤 19971230 『論文の書き方マニュアル――ステップ式リサーチ戦略のすすめ』  有斐閣アルマ 210p 1600+税 ISBN-10: 4641120455  ISBN-13: 978-4641120457 [amazon]
◆小笠原善康 20020420 『大学生のためのレポート・論文術』 講談社現代新書 225p 680+税ISBN-10: 4061496034  ISBN-13: 978-4061496033 [amazon]
◆野村進 20080522 『調べる技術・書く技術』 講談社現代新書 254p 740+税 ISBN-10: 4062879409 ISBN-13: 978-4062879408 [amazon]

■参考ウェブサイト
立命館大学大学院先端総合学術研究科
arsvi.com:GCOE 生存学創成拠点
Academic Writing I C(Welcome to Yoshioka Kumiko's Home Page)
KyozaiTop - Web教材(向後千春研究室)

■「研究計画」「年次計画」を書くヒント(天田城介氏のメールより。掲載承諾済)
 研究計画は、研究の柱になるような内容を書きます。具体的には「研究計画としては、具体的に、以下の3点を中心に行なうことになる。……」云々のように、 具体的に研究を細分化して行なう時にどのような「柱」で行なうかをイメージしつつ書いてもらうとよいです。
 年次計画は、例えば、「2009年度前半には、〜〜を行なったうえで、その調査結果を『○○』にまとめ、研究成果として報告する。」云々のように、より具体的に どのような計画に基づいて、どこでどのように調査をし、研究をし、報告・発表し、それを翌年の研究につなげていくのか、などをできるだけ詳細に記すことです。 したがって、多少の重複は全く構いません。むしろ、それが当然です。

■〈社会学への招待10冊――あなたは何を問うのか〉
読書案内

■非常勤のために作ったファイル(学部レベル?)
児童福祉 *社会福祉



■開講期間(2008年度後期/金曜/原則隔週5・6限2コマ連続/創思館411)日時等の変更に注意!
第1回 9月26日(金)―― 1(顔合わせ)
第2回 10月10日(金)―― 2、3
第3回 10月24日(金)―― 4、5
第4回 11月7日(金)―― 6、7
第5回 11月21日(金)―― 8、9
2008年度秋季企画 連続講座「国民国家と多文化社会」第19シリーズ
「格差拡大社会とグローバリズム」
ポスター(pdf)   ◇企画趣旨(pdf)   ◇第2回〜第4回プログラム詳細(doc)
第3回「格差社会に憲法はなにを言うことができるのか?─―「生存権」をめぐる対話」
日時:11月21日(金)15:00〜18:00
会場:明学館地階83教室
キャンパスマップ
報告:笹沼弘志静岡大学)「生存権と『自由な社会』の構想」
cf. 笹沼弘志 2008 『ホームレスと自立/排除――路上に〈幸福を夢見る権利〉はあるか』 大月書店
    遠藤美奈西南学院大学)「生存権と傍観─「私たち」と他者」
cf. 川岸令和・遠藤美奈・君塚正臣・藤井樹也・高橋義人 2005 『憲法』 青林書院 [amazon]
司会・ディスカッサント:岡野八代(立命館大学)

第6回 12月5日(金)―― 10、11
第7回 12月19日(金)―― 12、13
第8回 1月9日(金)―― 14、15

■授業の概要(オンラインシラバスより)
 自分にとってのテーマは何であるのか、そのためには何を学ぶことが必要であり、何を調べ何を考えなくてはならないのか。まずそれを はっきりとしたものにすることが課題であり、教員はその作業を支援する。同時に、プロジェクトにおいて何が問われ、何が明らかにされようとしているのかを 知り、それと自らのテーマとがどこでどのようにつながるかを見出す。発見と連接のヒントが与えられる場としても機能する。

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